皆さんが普段使っている紙のお札ですが、これって一体どこの国で最初に生まれたのでしょうか。答えを先に言ってしまうと、世界で初めて紙幣を発行したのは中国の宋という国です。10世紀頃、北宋時代に「交子」と呼ばれる紙幣が作られました。

なぜ中国で紙幣が生まれたのか

中国で紙幣が誕生した背景には、いくつかの理由があります。まず、紙を作る技術と印刷する技術の両方が発達していたこと。これらの技術は中国で発明されたものなので、紙幣を大量に作るための土台がすでにあったわけです。

当時は銅銭が足りなくなっていて、重たい金属のお金を持ち運ぶのも大変でした。そこで、鉄銭の預かり証として「交子」が発行されたんです。

交子の特徴と仕組み

交子には面白い特徴がありました。有効期限が決められていて、期限が来る前に新しい紙幣と交換できたんですが、その際には手数料がかかったそうです。預かり証から始まった交子は、やがて通貨として使われるようになっていきます。

項目 内容
名称 交子
発行時期 10世紀(北宋時代)
発行された理由 鉄銭の預かり証として
特徴 有効期限あり、交換時に手数料が必要

中国での紙幣の発展

交子の後も、中国では紙幣の技術が進化していきました。宋の次の時代である元が発行した「交鈔」は、最初から通貨として作られた初めての紙幣となります。

さらに明の時代には、世界最大サイズの紙幣である「大明通行宝鈔」が登場しました。縦338ミリ、横220ミリで、だいたいA4サイズぐらいの大きさです。

偽造防止の工夫

当時の中国の紙幣には、偽造を防ぐための様々な工夫が施されていました。

特に興味深いのは、紙幣そのものに「偽造禁止」の警告文が印刷されていたことです。偽造した人は死刑になり、逆に偽造犯を見つけた人には賞金と犯人の財産が与えられました。この警告文を紙幣に直接書いておくことで、犯罪を抑止しようとしたわけです。

他にも、紙幣用の紙を国が独占して作ったり、複雑な文様を使ったりと、様々なアイデアが取り入れられました。

ヨーロッパへの伝播

中国で生まれた紙幣ですが、ヨーロッパで広まったのはずっと後のことです。1661年にスウェーデンの民間銀行が銀行券を発行したのが、ヨーロッパでは最初とされています。

その後、1694年にはイギリスでイングランド銀行が設立され、約束手形が発行されました。最初は手書きだったこの手形も、印刷されるようになってから広く使われるようになります。

紙幣が世界に広まった理由

紙幣が世界中で使われるようになったのには、いくつかの理由があります。

持ち運びの便利さ

金貨や銀貨は重くて持ち運びが大変でした。大きな取引をするとなると、さらに不便です。紙幣なら軽くて、たくさんの金額を持ち歩けます。商人たちにとって、これは大きなメリットでした。

技術の進歩

印刷技術が発達したことで、紙幣を大量に作れるようになりました。また、偽造を防ぐための技術も進化していきます。透かしやホログラム、特殊なインクなど、現代の紙幣にも様々な工夫が見られますね。

  • 金属貨幣より軽量で持ち運びやすい
  • 大量生産が可能になった
  • 偽造防止技術の発達
  • 国家の信用に基づく通貨制度の確立

日本における紙幣の歴史

日本でも古くから紙幣が使われていました。江戸時代には各藩が「藩札」という紙幣を発行していて、明治時代まで続きました。現代の日本銀行券が発行されるようになったのは、1885年のことです。

世界で初めて紙幣を作った中国から遅れること約900年、日本でも本格的な紙幣の時代が始まったわけです。

現代の紙幣

今では世界中で紙幣が使われていますが、国によってデザインや大きさは様々です。人物の肖像が描かれることが多いのは、人間の顔の微妙な違いを見分ける能力を利用した偽造防止の工夫なんです。

中国で生まれた紙幣は、こうして世界中に広まり、私たちの生活に欠かせないものとなりました。